「地面師」とは、他人の土地を自分のものと偽って売却し、多額の金銭をだまし取る不動産詐欺集団です。このドラマで描かれる地面師のグループには、都内の一等地の地主情報を握る情報屋、不動産会社やデベロッパーと交渉を行う交渉役、偽造書類を作成するニンベン師、土地建物取引に関する法律知識を持つ法律屋、さらには大掛かりな詐欺に必要な人材を集める手配師など、その道のプロフェッショナルたちが多く登場します。

彼らのターゲットとなるのは、高輪ゲートウェイ駅に近接し、100億円もの市場価値を持つとされる泉岳寺の広大な土地です。地面師たちは、この土地の地主のプロフィールや私生活に至るまで丹念に調査し、当人の秘密を探り当てました。そして、地主の名前をかたって、本来であれば売りに出されることのない土地の売却情報を裏ルートで流し始めます。

その情報に飛びついたのが、大型プロジェクトが頓挫した大手デベロッパーでした。さまざまな思惑が複雑に絡み合いながら、物語は動き出します。

地面師たちの元になった積水ハウス事件をまとめるとすごい事実だった。

３行でまとめるマン

積水ハウス地面師詐欺事件は、偽の土地所有者により積水ハウスが約63億円を騙し取られた不動産詐欺事件です。不動産取引における確認作業や社内承認の不備が詐欺成功の要因となりました。結果的に、真の所有者からの警告が無視され、損害が発生しました。

積水ハウス地面師詐欺事件は、東京都品川区西五反田2-22-6に位置する旅館「海喜館（うみきかん）」を舞台にして発生しました。山手線五反田駅から徒歩わずか3分という好立地にあるこの旅館は、不動産業界で以前から注目されていた物件でした。

事件の発端は、積水ハウスが「海喜館」の約600坪の敷地を70億円で購入する契約を、土地の所有者を名乗る女性と締結したことにあります。6月1日、積水ハウスは「IKUTA HOLDINGS株式会社」（千代田区永田町）を通じて、所有権移転の仮登記を行い、63億円を支払いました。その後、所有権移転登記を申請しましたが、売買は成立しませんでした。6月24日、「相続」を理由に、都内大田区に住む2人の男性（所有者の実弟とされる人物）に所有権が移転され、7月4日に登記が完了しました。これにより、積水ハウスは、所有者になりすました女性とそのグループに63億円をだまし取られたことが判明したのです。積水ハウスが詐欺に気付いたのは8月2日のことでした。同じ頃、旭化成グループが正当な所有者から土地を取得し、跡地に高層マンションを建設しました。

事件の経緯

旅館「海喜館」の所有者は、リーマンショック以前からデベロッパーや不動産会社の社員たちから土地の売却を持ちかけられていましたが、所有者は一貫してその提案を拒否していました。客を装って接触してくる不動産関係者に嫌気が差し、最終的には常連客以外の宿泊を断るようになりました。2015年3月に「海喜館」は廃業しましたが、所有者は依然として土地の売却を拒み、旅館に居住し続けました。

この土地に目を付けた地面師グループは、「海喜館」の土地を狙い、2017年4月3日に転売目的で中間買主を見つけ、その中間買主から申込証拠金として2000万円を受け取りました。翌4月4日、マンション事業を行う積水ハウスの営業次長に、「海喜館」の土地を売却する話が持ち込まれました。土地の所有者はパスポートと印鑑証明で本人確認ができる状況にありました。4月13日、地面師グループと中間買主、そして積水ハウスの次長と課長が条件面について打ち合わせを行いました。その際、地面師は「所有者はマンション購入資金として3億円の調達を急いでいる。他にも購入希望者が多いので、急ぐべきだ」と積水ハウス側に取引を急がせました。

積水ハウスは稟議決裁を経て、4月24日に売買契約を締結し、手付金として14億円を支払いました。この契約は「海喜館」を一旦中間買主が買取り、それを積水ハウスが買うという内容で、中間業者の買取価格は60億円、積水ハウスの買取価格は70億円でした。その後、所有権移転の仮登記が完了しました。6月1日、残金49億円が支払われ、建物取り壊し後に支払う予定の留保金7億円を除いて、全ての支払いが完了しました。

しかし、6月6日に法務局から不動産の本登記が却下されたことを受け、積水ハウスは偽の所有者から土地を購入していたことを知ります。6月9日、積水ハウスは新宿警察署に被害届を提出しましたが、受理されず、9月15日に警察庁で刑事告訴が受理されました。この間、6月24日には「海喜館」の本来の所有者が死亡し、「相続」を原因に都内大田区の2人の男性に所有権が移転され、7月4日に登記が行われました。

その後、旭化成不動産レジデンスが正当な所有者から土地を取得し、30階建ての超高層マンション「アトラスタワー五反田」を建設しました。

地面師たちの元になった積水ハウス事件、なぜ起きたのか？

積水ハウス地面師詐欺事件が成功した要因は、いくつかの重大なミスと見過ごされた警告にあります。

まず、不動産会社が通常実施する「知人による確認」を怠ったことが挙げられます。この方法は、取引をしようとする「所有者」の写真を近隣住民や知人に見せ、本人確認を行うものです。真の所有者は、その旅館で生まれ育ち、近隣住民に広く知られていたにもかかわらず、この基本的な確認作業が行われませんでした。

次に、土地購入の承認プロセスにおいても不備がありました。本来、4名の回議者を経て承認されるべき稟議書が、すでに現地視察を行っていた社長によって先に承認されてしまいました。さらに、回議者全員が押印したのは、手付金支払い後であったと報道されています。当時不動産部長だったK氏は「この取引には不審な点がある」と警告を発していましたが、阿部俊則社長や東京マンション事業本部長の常務らは、取引相手のネガティブ情報を伏せ、最終的にK氏に捺印させました。また、2017年5月10日に積水ハウス本社法務部宛に届いた内容証明郵便についても、K氏は怪文書とみなし、不動産部には伝えなかったのです。

さらに、積水ハウスが手付金支払いと仮登記を行った後、真の所有者から「売買契約はしていない」「仮登記は無効である」などと記載された内容証明郵便が4通届きました。そのうちの1通には印鑑登録カードの番号が記載されていたにもかかわらず、積水ハウスはこれらを土地売買を妨害する行為と誤認し、偽の所有者から内容証明郵便を送っていない旨の確約書を入手する程度の対応しか行いませんでした。本当の所有者が長期入院中で面会謝絶となっていたため、「なぜ登記を確認し、内容証明書類を作成できたのか」という疑問が残りましたが、積水ハウスはこの通知書を正当なものと信じられませんでした。

妨害行為と誤解した積水ハウスは、取引の残代金支払日を約2か月早めて6月1日にしました。しかし、6月1日当日、真の所有者の通報により警察が現地に訪れ、積水ハウス社員に警察署への任意同行を求めました。その連絡を受けた担当者はこれを妨害行為と誤認し、支払手続を完了させてしまいました。

地面師グループはこれ以前にも複数の不動産会社に接触していましたが、所有者の本人確認ができないという理由で取引を断られていました。しかし、積水ハウスは、都心でのマンション用地買収に慣れていなかったにもかかわらず、この案件を強行に進めようとしました。マンション事業部は社長に現地を視察させ、社長による飛び越し承認を受けることで、社内ではこの案件が「社長案件」として進行しました。マンション建設用地を確保したいという強い意欲が社内にあり、そのために承認体制が機能しなかったと指摘されています。

地面師たちを事実だと知った世間の声

「積水ハウスみたいな超大手企業が63億円も騙し取られるって、リスク管理どうなってんの？普通に考えてありえないミスだよね。こんなことが起こるなんて、他の企業も他人事じゃないでしょ。これからは、どんな大きな会社でも徹底的に確認しなきゃいけない時代になったな～って感じるよ。」

「稟議書の承認を飛び越えて社長が先にOKしちゃうとか、積水ハウスって意外と杜撰だったんだな。ちゃんとしたプロセスがあれば防げたはずの詐欺だよね。まさか大企業がこんなガバガバな管理体制だなんて、みんなびっくりしてるんじゃない？他の会社も見直す必要あるかも。」

「地面師の犯行手口、マジでプロ中のプロだわ。積水ハウスみたいな大手まで騙せるなんて、すごすぎて怖い。土地の売買って大変そうだな～って思ってたけど、これ聞いてさらに慎重にならざるを得ない。これからは、不動産取引のときは本当に細かいところまで注意しないとね。」

「今回の事件で、不動産業界全体に不信感持つ人増えたんじゃないかな。誰が本当の所有者かなんて、素人じゃわからないし、こういう詐欺があるって知ったら、土地を買うのも慎重になるよね。積水ハウスがやられるなんて誰も思わなかったし、これからはもっと透明性を求めたい。」

「積水ハウスがこんなに大きな詐欺に引っかかるなんてショックだけど、これって私たちにも大事な教訓だよね。土地の売買とか、なんとなくでやっちゃダメなんだなって痛感した。みんなも、本人確認は絶対に手を抜かないで、何度でも確認した方がいいってことを忘れないようにしよう！」

ピエール瀧さんや池田エライザさんが出てて個人的にめっちゃ楽しみなのにゃ

NETFLIX「地面師たち」